【続】発達障害だっていいじゃない  ~鬱な私と4人の子供達~

発達障害の子供達も成人したので、これまでのことも書きつつ、50代からの奮闘の毎日をつづります。

子供が不登校になった時どうすべきか(5)最終回

末息子が中学校を週1回の通級学級だけで卒業したところまで前回お話ししました。週5日登校することもできる通信制高校に入学することになりました。

 

週1日は授業の日、学年によって曜日が決まっていて数学や国語・英語・社会などの授業を受ける。小学校や中学校から不登校の子や、高校が合わずに入り直している子などいろんな子がいる。入学試験らしい試験はなく作文と面接くらいなので誰でも入ろうと思えば入れる。そこが良い所だけど、悪い側面でもある。案外やんちゃな子が結構な数いる。すると不登校だった子がようやく頑張るぞと思って入学してきても、教室に入れないなんてこともある。1年生の最初に宿泊行事が必ずある(体育の単位などに換算される)。うちの息子はどうしてもダメで参加できなかったのだが、そのスクーリングで、ある子の財布が無くなったり、荷物がトイレに捨てられたりして、結局犯人がわからずじまいだった。

 

あと2日ゼミに参加し週3日で通うところからスタートした。午前と午後に分かれているので4種類のゼミを受けることになる。年間を通して選んだゼミに参加する。心理学ゼミ・パソコンゼミ初級・中級・卓上遊戯ゼミ・カフェゼミなどだ。ゼミは学校が楽しいと感じてくれればよいと思っているので期待していないが、特に誰かと仲良くもなれなかったが、楽しんでやれていたような気がする(息子があまり学校の話をしないためわからない)。

 

納得がいかないのは、授業を専門の先生ではない先生が教えてくれるところだ。数学や英語や理科はたぶんちゃんと免許を持った先生が教えていると思う。でもそのほかが違う!国語の先生ではない人が国語を教えたり、公民の免許しかもっていない人が歴史や国語を教えている。

 

通信制高校というのは本当は、きちんとレポート提出をして、定められたスクーリングに参加して、単位が取れる。しかし通学制で授業を受けているのでめちゃくちゃ易しい学校のテストを受ければ卒業できる。スクーリングも最悪の場合、NHKの高校講座を見て感想を書いて提出することでスクーリングの代わりになったりする。だからたいていの子は卒業できる。

 

こういう高校は、例えばアイドル活動が忙しくて学校に通えない子とか、オリンピック選手やサッカーの選手など、学業以外のことで忙しい子に適しているではないだろうかと思う。通信制高校という名の営利企業なので、発達障害の子もカウンセラーが常にいるから安心!などと宣伝しているが、オンライン授業をのぞき見したところ、不良高校生相手に、なめられないように威勢良くしている体育教師が、生徒を呼び捨てにし威厳を保っているだけのように見えた。

 

でも悪いことばかりではもちろんなく、誰ともそれほど話はしないみたいだけど、週3回何とか通えるようになったし、2年生の最後にはスキー教室にも参加することができた。このスキー教室のために、我々家族全員で前もって日帰りバス旅行に行って練習してきたのだ。小さいころにスキー場に行ったことはあるのだが、末息子は小さすぎてソリで遊んだことしかなかったから、息子3人スキー教室を頼んで2時間練習してきたのだ。その日のうちに3回くらい初心者用リフトに乗ってボーゲンで帰ってこれるようになったので、高校のスキー教室にも行けたのだと思う。息子も頑張ったが、家族全員そうとう頑張ったと思う。

 

スキーも初めてだが、家族と離れての宿泊が小学校2年の宿泊行事以来だったので、同じ部屋の子とうまくやれるか、お風呂など決められた時間内に行動できるか?などが心配だった。先日の記事にも書いたが年に2回、障害者補助の宿泊施設に年に合計2泊して、泊まる練習はしているのでなんとか行けたのだと思う。

 

書字の問題もかなり心配していたが、代わりにwordを使わせてもらったら?とか息子に話したのだが、他の子の手前嫌だったようで、テストの時も書けないときはひらがなで書いて頑張った。

 

全員が体育会系の先生というわけではない。ただひとり女好きな先生が親しげに話しかけてきて困った。息子のことは彼なりに可愛がってくれお世話になったとは思うので、そこは感謝している。彼なりにと書いたのは、何もわかっていないからだ。育てにくく能力の凸凹の激しい複雑な息子の事など誰にでもは理解できない。

 

「○○君元気ですか?」息子のことはこの一言だけ。最高で月に7回も電話をかけてきたこともある。シングルマザーだから電話しやすいのかもしれない。面倒見てやってる。世話してやってる。電話をしてあげているという感覚だ。「お母さん。何かスポーツされるんですか?」なんて何言ってるのか意味が分からない。

 

3年生のある日、私はブチ切れ、センター長宛てに文章を送った。次の日センター長からお詫びの電話があり、それ以降その先生は息子には話しても、私には話しかけてこない。

 

卒業後は付属の専攻科に進学することにした。環境の変化に弱い発達障害の末息子にとって、今は自分のことを知ってくれている人の中で成長する時間が必要だと考えたのと、本人の意思で決めた。

 

小学5年から不登校だった息子ですが、無事に卒業式を迎えることができました。これは本人の頑張りがあったからこそだと思います。同じく入学し、ママ友になった方々のお子さんはみな通えなくなって一緒に卒業はできませんでした。

 

今は専攻科1年目です。来年度のことを悩んで自立支援の体験にも行ってみましたがどうも合わないため、もう1年専攻科にお世話になってから、就労移行支援で、実際の仕事を視野に入れた訓練を受けようと思っています。

 

子供が不登校になった時どうすべきかシリーズは今回で最後です。息子が不登校になった時、昔の私は学校に行けなくなったらこの子の将来は終わりなんじゃないかと思いましたが、全くそうではありませんでした。勉強は自分でしようと思えばできるし、先生だって悪い先生ばかりではありませんが、良い先生ばかりでもありません。学校がすべてではなく、いろんな育ち方があって良いと思います。

 

家族の世話をしなければならずに小学校へも通えない子の話などもニュースでやっていますが、そういった場合は全く別で、何とか通えるように周囲の手助けが必要だと思います。ただ、いじめが原因だったり、発達障害が原因で行くのが非常につらい場合、どうしても学校に行かなくてもいろいろな進路があるということを子供自身は知るすべがないので大人が教えてあげなくてはいけません。また高校を卒業したからといっても即大人にはなれません。発達障害の子には生涯の温かい支援が必要です。凸凹だらけで成長がゆっくりの我が息子たち。私の子育てはまだまだこれからだと考えています。

 

まとめ

不登校だった子でも発達障害でも卒業できる高校は沢山ある。

通信制高校にも登校型や、完全な通信制型、都立も私立もある。

③レポート提出が基本なので他の教科の先生が教えることがある。

④スクーリングがあるが、行けなくても代わりの課題をすれば卒業できる。

⑤教師全員がカウンセラーという言葉に騙されてはいけない。

⑥本人の意思が全くなければやはり卒業はできない

⑦高校を卒業後は進学も就職も就労移行支援に進むことも可能。

⑧卒業後も支援が必要

 

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