【続】発達障害だっていいじゃない  ~鬱な私と4人の子供達~

発達障害の子供達も成人したので、これまでのことも書きつつ、50代からの奮闘の毎日をつづります。

子供が不登校になった時どうするべきか(1)

正確に言うと自閉症スペクトラム障害・不安障害・学習障害(書字障害)知的な遅れはない末息子。小学校1年生の後半の半年間と、小学校5年~中学3年までの5年間学校に通えなかった。中学校の時は情緒障害等通級学級に週1日理科の2時間だけ3年間通った。

 

子供が学校に行けなくなったらどうなるか?

 

まず仕事に行けなくなる。そして発達障害の子供とうつ病の母は共鳴し、自分の具合も悪くなる。簡単に言うと、親子で引きこもりになる。そうならないようにするにはどうしたらよいか。

 

小学校1年の時は担任の先生が迎えに来てくれたり、車で学校の前まで送ったりした。でも私にしがみついて絶対に離れない。結局一度も行けなくなった。

 

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炬燵の中で一日の大半を過ごす息子を見ていると本当に辛いが、その状態の子に「学校に行け」というのはもっと辛い。

 

3~4ヶ月経ってから、もう前と同じ様には通えないなと思い、地域の特別支援学校にある電話教育相談室に電話してみた。するとその日のうちに支援学校の先生が家に息子の顔を見に来てくれた。車で30分近くもあるのにである。

 

元気の良いすごく優しい男の先生で炬燵の中から顔を出した息子に「もっと早く来れなくてごめんな~」と言った。なぜかすぐにその先生に懐き、いつの間にか膝の上に座っていた。「この子は特別支援学校では物足りないから、通級学級をいくつか見学してみてと勧められ、先生とバイバイした。

 

それから市内のいろいろな学級を見学に行ったが、どこも怖がって建物の中にも入ろうとしなかった。無理やり引きずり込むと、出してくれたスリッパを投げたり大暴れして大変だった。先生方も、「無理しないでまたおいでね」と声をかけてくれるのだが「いいえ。お断りします。」と勝手に丁重にお断りしてしまう。

 

そんなこんなで不登校は続いたのだが、ある変化が訪れた。都営に当たったのだ。倍率27倍!奇跡が起きた。神様っているのかもってその時思った。

 

隣の市に引っ越すことになり、引っ越し先で心機一転学校に通えるように、特別支援学級を希望した。希望すると体験授業を受ける事になっている。忘れもしない1年生の最後の日3月31日のことだった。その体験授業をしてくれたS先生とはその後長い付き合いになる素晴らしい方だった。とにかく授業が面白い。末息子は笑い転げていた。久しぶりに見た笑顔だった。

 

引っ越す少し前の4月から特別にその学級に転校させてもらった。しかし探せども探せどもS先生がどこにもいない。思い切って「S先生は今日はいらっしゃらないのですか?」と聞いてみた。すると「S先生は3月で定年退職されたんです。」と若い先生から教えてもらった。すごいショックだった。でもS先生のたった1回の授業のお陰で再び登校できるようになったのであった。

 

嫌がる子を無理やり連れて行くことは出来ないが、何かのきっかけで通えるようになることもある。まず相談窓口を探してみよう。住んでいる場所の市役所や教育相談室ではなく、ちょっと遠くの窓口が良いかもしれない。関係ない人だと客観的に見てくれるし偏見も持たれないので相談しやすいと思う。

 

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